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令和 2年第372回定例会(第2号12月 1日)

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  1. 愛媛県議会 2020-12-01
    令和 2年第372回定例会(第2号12月 1日)


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    令和 2年第372回定例会(第2号12月 1日) 第372回愛媛県議会定例会会議録  第2号 令和2年12月1日(火曜日)   〇出席議員 47名   1番  中 田 晃太郎   2番  山 崎 洋 靖   3番  石 井 智 恵   4番  中 野 泰 誠   5番  西 岡   新   6番  菅   森 実   7番  浅 湫 和 子   8番  大 政 博 文   9番  新 田 泰 史   10番  黒 川 理惠子   11番  武 井 多佳子   12番  田 中 克 彦   13番  西 原   司   14番  塩 出   崇   15番  高 橋 英 行   16番  川 本 健 太
      17番  帽 子 大 輔   18番  大 石   豪   19番  菊 池 伸 英   20番  古 川 拓 哉   21番  兵 頭   竜   22番  松 下 行 吉   23番  宇 高 英 治   24番  大 西   誠   25番  松 尾 和 久   26番  木 村   誉   27番  石 川   稔   28番  梶 谷 大 治   29番  西 田 洋 一   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  徳 永 繁 樹   33番  笹 岡 博 之   34番  鈴 木 俊 広   35番  毛 利 修 三   36番  赤 松 泰 伸   37番  本 宮   勇   38番  高 山 康 人   39番  戒 能 潤之介   40番  渡 部   浩   41番  越 智   忍   42番  横 田 弘 之   43番  西 原 進 平   44番  中 畑 保 一   45番  明 比 昭 治   46番  岡 田 志 朗   47番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 なし   ―――――――――― 〇出席理事者  知事         中 村 時 広  副知事        田 中 英 樹  公営企業管理局長   佐 伯   隆  総務部長       高 石   淳  企画振興部長     金 子 浩 一  スポーツ・文化部長  大 北   秀  防災安全統括部長   福 井 琴 樹  県民環境部長     岸 本 憲 彦  保健福祉部長     高 橋 敏 彦  経済労働部長     東 野 政 隆  農林水産部長     馬 越 史 朗  土木部長       葛 原 健 二  会計管理者出納局長  菅   規 行  教育長        田 所 竜 二  副教育長       仙 波 純 子  人事委員会委員長   安 藤   潔  公安委員会委員    渡 部 智磨子  警察本部長      篠 原 英 樹  監査委員       永 井 一 平  監査事務局長     井 関 浩 一   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長       小 坂 泰 起  事務局次長      矢 野   等  参事総務課長     松 本 賢 固  議事調査課長     鳥 生 敬 央  議事調査課主幹    二 神 裕 志   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第123号議案ないし定第126号議案、 定第128号議案ないし定第141号議案 ┌────────────────┐ │(注)議席番号は、新型コロナウ │ │   イルス感染防止対策として │ │   間隔を空けて着席するため │ │   に設けた議席を含めた臨時 │ │   の番号である。      │ └────────────────┘      午前10時 開議 ○(戒能潤之介議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者福羅浩一議員石川稔議員を指名いたします。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) これから、定第123号議案令和2年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第126号議案及び定第128号議案ないし定第141号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(高山康人議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高山康人議員   〔高山康人議員登壇〕 ○(高山康人議員) (拍手)おはようございます。  自由民主党の高山です。よろしくお願い申し上げます。  初めに、新型コロナウイルスに感染された皆様にお見舞い申し上げますとともに、特に重症の皆様方には、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。また、日々、昼夜を問わず御尽力いただいております医療関係者の皆様、保健福祉関係の皆様、そして、中村知事をはじめとする行政の関係者の皆様方には、心から敬意と感謝を申し上げます。  感染収束にはまだまだ時間がかかるとは思いますが、愛媛県においては、まずは現在の感染警戒期から感染縮小期へ一日も早く戻れることを願って、質問に入らせていただきます。  まず最初に、その新型コロナウイルス感染症の診療・検査体制医療提供体制についてお伺いします。  現在、県内では、10月までの落ち着きから一転、11月以降、松山市内を中心に多数の陽性確認が続き、全国的にも感染が拡大している状況を踏まえ、県では、その感染拡大を食い止めるため、先月20日に感染警戒期に移行しました。その後、複数のクラスターが発生し、予断を許さない状況でありまして、連日、知事自ら県民に広く感染回避行動を呼びかけていただいております。このような状況とあって、県民の中には、もし熱が出たらどうしようという、これまでにはない不安を感じている方も大勢いるのではないかと推察されます。特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方などは、新型コロナに感染した場合、重症化するリスクが高いと言われているため、切実な問題であります。  県では、新型コロナ季節性インフルエンザとが同時流行した場合を見据え、県及び郡市の医師会とも協力の上、多くの発熱患者等に対応するための外来診療検査体制を構築し、先月16日から新しい体制がスタートいたしました。この新たな体制には、県の発表によると、県内で560か所を超える医療機関が協力に名のりを上げられ、6つの医療圏ごとに一定数の医療機関が確保できているとのことであります。御協力いただいている医療機関の方々に対し、改めて深い敬意と感謝の意を表したいと思います。  この新体制への移行によって、外来診療検査体制が大きく拡充され、発熱等の症状が出た方に地域の身近なかかりつけ医等で速やかに診療や検査を受けていただけるケースが増えることから、県民の不安解消等に資するものとして期待しております。  一方で、最近の感染者の増加に伴い、最も懸念されるのが医療提供体制の確保であります。急激に感染者が増加している中予地域では、入院病床が逼迫しているとも聞いております。万が一新型コロナに感染したとしても、誰もが必要な治療を受けられるよう、県には、県民の安全と安心に資する医療提供体制の確保に万全を期していただきたいと思うのであります。  そこで、お伺いします。  発熱患者等に対する新たな外来診療検査体制のこれまでの運用状況と、今後の医療提供体制の確保に向けた取組についてお聞かせください。  次に、若年者の雇用対策についてお伺いします。  コロナ禍が長期化する中、国内の経済情勢は、国による各種Go To キャンペーンや各自治体独自の旅行割引クーポンなどの効果もあり、上向きの兆しも見られるようになってきておりましたが、全国的な感染拡大を受け、Go To キャンペーンの一時停止など、再び経済活動の停滞が懸念されております。  雇用情勢についても、国によると、解雇等が見込まれる労働者数が11月13日時点で既に7万1,000人を超えるなど、依然として先行きの不透明な状況が続いております。県内でも、製造業を中心とした新規求人の落ち込みにより、9月の有効求人倍率が1.23倍へと10か月連続で低下しており、県内経済コロナ禍以前の状態にまで回復するには相当の期間が必要であり、雇用情勢は今後も悪化傾向が続くのではないかと強い懸念を抱いております。
     このような中、県内では、私の地元で長年親しまれてきた南予のスーパーしんばしの突然の閉店のほか、中予の老舗百貨店における離職者の増加などもあり、大学生をはじめとする若年者の雇用情勢にも影響を及ぼすことになるのではないかと危惧しております。実際、学生や保護者から第2の就職氷河期の到来を心配する声が寄せられているほか、国の調査によると、10月1日時点における全国の大学生の就職内定率は前年から7.0%低下し、69.8%にとどまっている状況にあり、厳しい就職活動が長期化する中で、学生の経済的、心理的な負担は大きくなっております。  若年者の雇用の確保は、本県の将来にとって非常に重要な問題であります。県では、先般リニューアルオープンしたジョブカフェ愛workにおいて、これまでインターネットを活用した合同会社説明会を開催するなど、このコロナ禍の中でも、若年者の雇用対策、人材育成に総合的に取り組み、着実に成果を上げていることを心強く思っております。ただ若者たちを取り巻く現下の状況は想像以上に厳しく、また、最近の感染拡大も相まって、これまで以上にきめ細やかな支援が求められていると思うのであります。  そこで、お伺いします。  新型コロナにより、学生の就職活動の長期化などの影響が出ておりますが、若年者の雇用対策にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、コロナ禍における県立学校の就職、進学についてお伺いします。  新型コロナは、社会経済活動から我々の日常生活に至るまで、短期間のうちに大きな変化をもたらし、学校現場でも、3月からの2か月半もの臨時休業県高校総体等の各種大会の中止をはじめ、大きな影響を受けました。  本県では、何よりも心配された学習の遅れについて、夏季休業の短縮や補充授業の実施、さらにはICTを活用したオンライン教育の導入など、学校現場の懸命な努力により、高校では10月中にこれまでの遅れを取り戻し、小中学校でも2学期中には対応できる見込みであると聞き、安堵しておりました。しかし、県内感染者数の増加、しかも、学校でもクラスターが発生するなど、学校現場は、さらなる感染の広がりと臨時休業による授業をはじめとする学校活動の停滞が強く懸念される状況にあります。  そして今、学年の総仕上げの時期に差しかかり、特に最終学年である中学3年生、高校3年生は、卒業後の進路を決定する大切な時期を迎えております。高校生の就職については、例年9月16日に開始されていた採用試験が、新型コロナの影響により1か月後ろ倒しとなっており、中にはオンライン面接を実施した企業もあると伺っております。従来と異なる日程や選考方法に不安を覚える生徒もいるのではと推察しておりますほか、幅広い業種で業況が悪化している状況で、内定率への影響も懸念されるところであります。  また、大学進学については、大学入学共通テストは、今年度が初めての実施であり、新型コロナの影響を踏まえた別日程の設定や濃厚接触者への対応など、状況が日々変化しており、多くの生徒が困惑していることと思っております。さらに、県教育委員会県立高校入試について出題範囲の縮小を決定するなど、感染拡大を想定した配慮に対し感謝いたしております。  しかし、受験生本人や家族等が感染した場合も、受験生が不利にならないような対応が求められます。新型コロナにより例年と異なる環境の中で、将来に向けた重要な選択をしようとしている生徒や保護者の不安は、言葉に尽くせぬものがあると思いますので、学校にはこうした心情に寄り添い、きめ細やかな対応をお願いしたいのであります。  そこで、お伺いします。  感染拡大に予断を許さない状況の中、生徒の適切な就職、進学を支援するため、学校及び県教育委員会はどのように対応していくのか、お聞かせください。  次に、ひめの凜についてお伺いします。  昨年デビューした本県オリジナルブランド米ひめの凜は、華やかな香りと上品な甘みが特徴で、昨年産は初めての販売にもかかわらず、発売から3か月という異例の早さで完売し、購入した方々からは非常に高い評価をいただいたと聞いております。また、生産農家の方からも、おいしいと喜ばれ作りがいがある、もっと多く作りたいといった生産に意欲的な声を多く聞いております。  今年は、遅い梅雨明けや夏場の猛暑、さらに害虫の被害も多かったとのことで心配しておりましたが、県やJAなどが一体となって栽培指導を徹底され、農家も情熱を持って栽培された結果、本年産の作柄は良好で、農家の思いが込められたお米に仕上がっていると聞いております。  このように、ひめの凜には、消費者、そして多くの農家の方々が大きな期待を寄せておりますが、今後、さらなる普及拡大を図るためには、生産と販売の両面からの戦略的な取組が重要であると考えるのであります。  県では今後、早期に栽培面積を1,000haに拡大することを一つの目標に掲げ、品質のばらつきが出ないよう、全ての農家に決められたルールに従った栽培を徹底するなど普及に努めておられますが、この目標を達成していくためには、関係者が一体となって意欲のある生産農家の確保に努め、安定生産につなげていくことが重要となります。また、販売面では、いかにしてひめの凜のブランド力を高め、他県産のブランド米に負けない優位性を確保していくか、知恵を絞っていく必要があると考えます。私は、この一つ一つの努力の積み重ねがひめの凜ファンを育て、その輪を広げていくことにつながると確信しております。  そこで、お伺いします。  本年産ひめの凜の生産及び販売の状況はどうか、また、今後の生産拡大にどう取り組むのか、お聞かせください。  次に、伊方発電所についてお伺いします。  伊方発電所については、3号機が新規制基準に合格し、平成28年8月に再起動して以降、安全に運転されてきましたが、1、2号機の廃炉に伴い、使用済燃料を3号機の使用済燃料プールに移動させる必要が生じました。そのため、プールの貯蔵余裕が減少し、四国電力は、伊方発電所敷地内への乾式貯蔵施設の設置を計画し、30年5月、原子力規制委員会に対し設置変更許可を申請するとともに、県に対して、安全協定に基づく事前協議の申入れを行っております。  3号機を運転しながら、1、2号機の廃止措置を安全かつ計画的に実施するためには、使用済燃料の貯蔵能力の拡大が必要であることは理解しますが、全国的にも事例が少ない新たな貯蔵方法であるため、事業者自らが県民にしっかりと説明し、理解を得ることが何よりも重要であります。  知事が計画検討段階から、四国電力に対し、乾式貯蔵での保管はあくまでも一時的であることを明確にした上で、施設の安全機能を丁寧に説明するよう要請してこられた結果、四国電力は、地元住民への訪問対話活動等を通じ継続的に丁寧な説明をしており、住民からは理解を深めることができたとの声も聞こえ始めておりますが、県には、今後とも、広く分かりやすい説明を継続するよう指導していただきたいと考えております。  四国電力乾式貯蔵施設設置計画については、去る9月16日、原子力規制委員会から許可され、その後、県の原子力安全専門部会においても、技術的、専門的観点から安全性が確認されたところであります。  また、使用済燃料の保管については、本年7月、使用済燃料の搬出先となる六ヶ所再処理工場が国から許可されるとともに、10月には、MOX燃料加工工場も事実上合格と報道されるなど、核燃料サイクルの中核施設の竣工に向けた準備が進んでおり、これらの施設の稼働により、今後、使用済燃料の搬出が計画的に行われるものと期待しております。  使用済燃料の貯蔵については、安全確保が大前提であることに加え、あくまでも再処理工場に搬出するまでの間の一時的な保管であることから、県には、乾式貯蔵施設設置後の運営も見据えて、しっかりと対応いただきたいと考えております。  そこで、お伺いします。  四国電力乾式貯蔵施設設置計画について、国は、新規制基準に適合するとして許可したところですが、県としては、乾式貯蔵に係る事前協議にどのように対応するのか、お聞かせください。  次に、ダムの事前放流についてお伺いします。  今年を振り返りますと、7月末までの長梅雨から一転して、8月は農作物への影響も心配されるほどの少雨となり、9月以降は幾つかの台風が本県に接近しましたが、幸いにも大きな被害が発生するような事態には至りませんでした。しかし、近年、集中豪雨や洪水の激甚化、頻発化が確実に進行していることは誰もが肌で感じており、一昨年の西日本豪雨をはじめ、毎年のように大規模な浸水被害が全国各地で発生しております。  これらの水害では、想定を超える豪雨により河川の氾濫や堤防の決壊が引き起こされ、大規模な被害が発生しておりますが、昨年の台風19号では、完成したばかりの八ッ場ダムをはじめとする利根川上流のダム群で洪水を貯留したことにより、下流河川全域で水位を低下させた事例が報告されているほか、令和2年7月豪雨での球磨川水系における洪水の国による検証では、事業が中断されている川辺川ダムが完成していれば、甚大な被害が発生した人吉地区で浸水面積を6割程度減少できた可能性が報告されるなど、改めてダムによる洪水抑制効果が注目されたところであります。  こうした中、既存ダムを活用して洪水調節機能を強化する事前放流につきましては、本年6月から国が管理する全国の一級水系のダムで取組が開始されました。また、本県が管理する二級水系でも、台風シーズンを迎える9月から、幾つかのダムで事前放流の運用を開始されたと聞いております。  一方、ダムは、上水道や農業・工業用水などの貴重な水源にもなっており、利水のための水を放流する事前放流に御協力いただいた利水者の皆様に感謝申し上げます。また、国や県などのダム管理者事前放流を行う際には、治水・利水の両面に配慮した弾力的かつ効果的な運用をお願いするとともに、この取組により、流域住民の方々の安全・安心が一層向上することを期待しております。  そこで、お伺いします。  本県でのダムの事前放流の現状と今後の取組についてお聞かせください。  最後に、第3ステージの公約実現に向けた取組についてお伺いします。  振り返りますと、知事は、平成22年12月の就任直後から、職員の意識改革や政策立案型行政への転換など、県庁組織の体質強化を強力に進めながら、県政課題に真正面から向き合ってこられ、とりわけ、人口減少の本格化や経済のグローバル化の進展などに伴い、社会経済システムの変革が求められる中、本県独自の施策を積極的に展開され、実績を積み上げてこられました。  例を挙げますと、全国に先駆けて自転車新文化を提唱し、今や、しまなみ海道は、サイクリストの聖地としての地位を確固たるものとしております。また、紅まどんなや伊予の媛貴海など数多くのブランド産品が全国に誇れるオリジナル商品に成長し、営業本部の活動などを通じて、実需の創出に向けて着実に成果を上げていると言えます。このほか、ドクターヘリの導入や防災士の養成などにも注力されているとともに、何といっても、64年ぶりに開催されたえひめ国体えひめ大会の成功は、県政史に残る出来事であったと思います。  さらに、30年7月の豪雨災害への対応では、発災直後から、人を守り、生活を守り、産業を守るという目標を掲げ、短期間で水と住宅の確保を実現されました。そして、知事自ら被災地に何度も赴き、被災者に寄り添ってこられたことで、被災者は前を向き、一歩を踏み出す勇気と元気を持つことができたのではないでしょうか。  30年12月にスタートした3期目の中村県政も、今議会で折り返しとなります。第3ステージでは、豪雨災害からの創造的復興を最優先課題に掲げ、重要施策である防災・減災対策、人口減少対策地域経済活性化対策のさらなる深化を目指して、これまで同様、知事が先頭に立って、時代の一歩先を見据えた施策を積極的に展開されております。  しかし、突如世界中に蔓延した新型コロナは、我が国の社会経済に極めて大きな打撃を与えており、本県でも、地域医療の逼迫化や観光・飲食業の停滞をはじめとする経済面での厳しい落ち込みなど、これまで経験のない課題に直面しております。こうした危機においてこそ、知事が提唱されてきた政策立案型行政の真価を発揮する好機と捉え、県民の安全・安心と地域の持続的な発展のため、独自性と実効性のある施策を積極的に展開していただきたいと思うのであります。  そこで、お伺いします。  第3ステージの折り返しを迎え、これまでの公約の取組状況はどうか。また、コロナ禍による厳しい社会情勢の中、公約実現に向けて、今後どう取り組むのか、お考えをお聞かせください。  以上で私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 高山議員に、まず、コロナ関係外来診療検査体制についての御質問にお答えをさせていただきます。  地域の病院・診療所等による発熱患者等に対する新たな外来診療、そして検査体制は、11月16日から運用を開始したところでございまして、県医師会をはじめ、郡・市医師会に御支援をいただき、多くの医療機関の方々に御協力をいただいてスタートすることができました。そのことに対して、心から感謝を申し上げたいと思います。  また、ふだん、かかりつけ医等がない方につきましては、受診相談センターへ連絡をいただければ受診できる医療機関を案内させていただいており、新体制移行後の1週間で1日平均124件の相談を受け、適切に対応しているほか、診療・検査医療機関での抗原検査につきましても、移行後の1週間で1日平均69件の検査を実施しており、迅速な感染者の把握につながった事例も出ているところでございます。  本県においても感染者が急増する中、私も、情報の一元化が非常に混乱をさせないために重要であるという観点から、記者会見の場を通じまして感染拡大防止に必要な情報を公開しておりますが、残念ながら、一部には、感染者探しをしたり、非公表情報の公表をあおったり、誹謗中傷を行う方もいると聞いております。多くの県民の皆さんは状況を受け止めていただいておりますが、残念ながら、一部にはそういう方もいらっしゃいます。こうした行為は、感染拡大防止には決してつながりません。そればかりか感染者に余計な不安感を与え、保健所の調査への協力の阻害要因になるとともに、風評被害等により医療従事者にも大きな負担を強いるものであり、県民の皆さんの冷静な対応が感染拡大を防ぎ、医療提供体制の確保にもつながるものと考えます。  また、医療提供体制につきましては、これまでは、無症状者を含めて、まず入院していただいておりましたが、国の示した方針に歩調を合わせることにいたしました。何よりも医療提供体制の逼迫をできる限り抑え、重症者やリスクの高い方の命を守ることを優先する方針に切り替えたということでございます。  このほか、軽症者等を対象にした新たな宿泊療養施設の運用開始に向けまして早急に準備を進めており、関係機関との連携により、必要な医療提供体制が確保できるよう、一層の緊張感を持って対応に努めてまいりたいと思います。  次に、学生の就職活動の長期化等々についての御質問でございます。  感染症の拡大は、企業業績に深刻な打撃を与え、航空運輸業や旅行業などの業種で採用人数の抑制の動きが見られますとともに、会社説明会等の主流が対面方式からウェブ形式になるなど、若年者を取り巻く採用環境が大きく変化する中、県では、企業の長期的な採用活動への働きかけと新しいウェブスタイルでの就職活動等を踏まえた支援を行っております。  具体的には、本年6月に私と教育長、そして愛媛労働局長の連名で県内企業約1万社に対しまして、新規学卒者について中長期的な視点に立って採用を進めていただくよう要請するとともに、ジョブカフェ愛workにおいて、県内企業へのインターンシップの促進や企業担当者と学生の交流会の開催などに取り組んでいるところでございます。  さらに、コロナ禍での新たな手法として、双方向型のオンライン合同会社説明会を開催し、県内企業40社と延べ約1,200人の学生とのマッチング支援を行うとともに、キャリアコンサルタントによるウェブ相談を約200件行っているほか、地元での就職活動の機会が大幅に減少している県外学生の県内での就職活動を支援するため、交通費助成も実施しているところでございます。  感染収束の見通しが立たず、雇用情勢のさらなる悪化が懸念される中、引き続きジョブカフェ愛workを核に、国や関係機関と緊密に連携しながら、愛媛の次代を担う若者の雇用対策にしっかりと取り組んでいきたいと思います。  次に、四国電力乾式貯蔵に関する御質問でございます。  乾式貯蔵施設事前協議につきましては、施設の安全性に加えまして、使用済燃料を再処理工場に搬出するまでの一時的保管であることが必須条件となりますため、私の方から四国電力社長やエネルギー政策を担当する経済産業大臣等に対して、機会あるごとにそのことを要請し、都度、確認を行ってまいりました。  また、四国電力に対しまして、施設の安全性等に関する住民目線での丁寧な説明を繰り返し要請しており、同社は、地元住民への訪問対話活動等を継続的に実施するなど、真摯に対応していると理解はしておりますが、今後とも、県民の理解促進に向けた取組を求め続けたいと考えております。  県の原子力安全専門部会では、国の基準を上回る揺れ対策など独自の視点も加えまして、技術的、専門的観点から厳しく審議を行っていただいており、原子力規制委員会の審査結果や使用済燃料対策の推進状況を担当者に直接確認した上で、11月25日、国の許可は妥当であると判断するとともに、国内外の新たな知見を踏まえたさらなる安全対策、使用済燃料の計画的な搬出に向けた取組等、四国電力や国への4項目の要望事項を盛り込んだ報告書がまとめられたところでございます。  県としては、今後とも、地元の視点から必要と考えられる対策はしっかりと四国電力に対応を求めるなど、伊方発電所の安全確保に万全を期すこととしており、乾式貯蔵施設に係る事前協議への対応については、専門部会の報告を踏まえて取りまとめられる伊方原発環境安全管理委員会の意見、県議会における議論、地元伊方町の意見などを踏まえまして、最終的に判断をしていきたいと考えております。  次に、公約の取組状況等についての御質問でございます。  第3期県政に向け掲げた公約では、豪雨災害からの創造的復興を最優先課題として位置づけまして、これまでグループ補助金等を活用し、地域産業の再建にめどをつけるとともに、柑橘王国愛媛の復活に向けた被災園地の再編復旧も地元合意が得られまして、4地区全てで着手するなど、現場視点できめ細かな支援に取り組んでいるところでありまして、来年開催するえひめ南予きずな博では、被災者の皆さんと共に、力強く復興する姿を全国に発信できればと考えております。  また、公約の3本柱につきましても、防災・減災対策では、肱川治水対策の10年前倒しや日本一を目指す防災士の養成、人口減少対策では、官民共同ファンドを活用した子育て支援や5年連続で過去最高を更新している移住者誘致、また、地域経済の活性化対策では、実需の創出を目指し、昨年度、目標額を大きく上回る約205億円の県関与成約額を記録した営業活動など、着実に成果を積み上げているほか、全国に先駆けたデジタルマーケティングの導入や5G技術の活用、デジタル総合戦略の策定など、次の時代を見据えた施策にも積極的に挑戦をしているところでございます。  さらに、最大限の警戒感と緊張感で臨んでいる新型コロナ対策では、県民の安全・安心の確保を最優先に感染拡大防止に全力を挙げるとともに、深刻な影響が出ている県内経済の立て直しや、新たな日常に対応した生活やビジネススタイルの浸透にも鋭意取り組んでいるところであり、今後とも、県民との約束である公約の実現に徹底的にこだわりながら、社会経済の変化にも柔軟かつ迅速に対応した本県独自の政策を強力に推進することで、愛顔あふれる愛媛県の実現を図ってまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(馬越史朗農林水産部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 馬越農林水産部長   〔馬越史朗農林水産部長登壇〕 ○(馬越史朗農林水産部長) ひめの凜についての御質問にお答えいたします。  本県が16年の歳月をかけて開発し、昨年デビューした県オリジナルのブランド米ひめの凜は、発売1年目から、西予市の生産者が全国レベルの食味コンクールで最高位の金賞を受賞し、幅広い期待を集めるなど、本県水田農業のフラッグシップとなる新品種であると考えております。  2年目となる本年は、栽培面積を昨年の約2倍の123haに拡大し、梅雨明けの遅れや猛暑など恵まれた環境ではなかったものの、生産者の徹底した栽培管理によりまして、粒ぞろい、味ともに昨年を上回る良好な仕上がりで、集荷量も昨年の2倍近い360tを見込んでいるところでございます。  また、販売面では、消費者ニーズを踏まえ、最高品質のプレミアムクオリティに新たに2キロ入りの袋を用意するとともに、新聞やテレビ、SNS等を活用した積極的なPRを展開した結果、販売開始から2週間の出荷量は、昨年の約3倍の141tと想定を大きく上回り、消費者や販売業者の信頼と支持をしっかりと獲得しつつあることを実感しているところであります。  さらに、本年の食味コンクールでも県産のにこまるが金賞を受賞するなど、本県の水稲生産技術が大いに向上していると考えており、ひめの凜の栽培面積1,000haを早期に実現するとともに生産管理の徹底を図り、ブランドをより強固なものといたしまして、本県が質の米どころとして飛躍できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(葛原健二土木部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 葛原土木部長   〔葛原健二土木部長登壇〕 ○(葛原健二土木部長) ダムの事前放流に関する取組についてお答えをいたします。  ダムの事前放流は、豪雨による激甚災害が頻発する中、東日本に甚大な被害をもたらした昨年の台風19号を契機に、関係省庁が緊密に連携し導入された取組でありまして、利水者の協力の下、大雨が予測される場合に事前に利水容量の一部を放流し、下流域の氾濫防止や被害の軽減を図るもので、県といたしましても、既存ダムを有効活用した即効性のある治水対策であることから、積極的に推進しているところであります。  県内では、これまでに、国管理の一級水系の全13ダム及び県管理の二級水系の5ダムで運用を開始し、18ダムの合計では、豪雨に備える治水容量を従来の約1.3倍まで増強できたところであり、二級水系の残る9ダムについても、次期出水期までの運用開始を目指し、利水者等との協議を進めているところでございます。  県といたしましては、国をはじめとする関係機関とも連携し、今後も懸念される気候変動に伴う豪雨災害の激甚化、頻発化に備え、事前放流の効果的な運用に取り組むとともに、利水者が心配する事前放流による水不足を極力避けられるよう、利水面にも配慮した適切な運用に努め、県民の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二教育長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 田所教育長   〔田所竜二教育長登壇〕 ○(田所竜二教育長) 生徒の就職や進学支援のための対応についてお答えをいたします。  コロナ禍による長期休業など、学校を取り巻く環境が例年と大きく異なる状況の中、県立学校では、計画的に補充授業を実施し、学びの遅れを確実に取り戻すとともに、就職や進学を控えた生徒の不安に配慮した支援に努めております。  このうち、就職につきましては、選考開始時期の1か月繰下げやオンライン面接の導入などの状況変化に対応するため、緊急配置した学習支援員を活用しながら個別指導の充実を図っており、学校現場からの報告によれば、今年度も生徒の希望を充足できる求人レベルが確保できており、採用開始から約1か月後の11月20日時点における県立高校の就職内定率は87.4%と、前年同時期並みの水準に達しております。  また、進学につきましては、今年度は、大学入学共通テストの導入に加え、総合型選抜等の日程や出題範囲の見直しなど、入試の枠組みがコロナ禍の影響により変更される中で、生徒が安心して受験に臨めるよう、対策講座の実施や入試情報の迅速かつ正確な提供など、例年に増して丁寧な対応に努めており、県立高校入試についても、出題範囲の縮小やコロナ感染者等を対象とする追試験の実施など、受検生の不安を少しでも解消するための措置を講じているところでございます。  県教育委員会では、学校現場と力を合わせながら、来春に学びやを巣立つ卒業生たちが、次の新しいステージに確かな一歩を踏み出せるよう、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 暫時休憩いたします。      午前10時47分 休憩    ―――――――――――――――――      午前11時4分 再開
    ○(戒能潤之介議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(中田晃太郎議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中田晃太郎議員   〔中田晃太郎議員登壇〕 ○(中田晃太郎議員) (拍手)おはようございます。  鉄道も高速道路もありませんが、人が温かく、自然の恵み豊かな愛南町から来ました志士の会の中田晃太郎です。  県内でも、新たな感染者が日々報告されておりますが、新型コロナウイルスに感染された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、闘病中の皆様の一刻も早い回復を願っております。そして何より、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りいたします。  また、感染拡大防止に全力で取り組まれている皆様や、日々、感染リスクと向き合いながら、患者さんの命と家族の生活を守るため職務に当たられている医療従事者の皆様、また、目の前の生活を守るため、懸命に職務に当たられている関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。  今議会開会の中村知事からの挨拶でもありましたように、感染による誹謗中傷や風評被害などが起こらないように正しく恐れることが大切であり、オール愛媛体制で県民一丸となって、この難局を乗り越えていけることを願い、質問に入らせていただきます。  まず初めに、デジタル化による県庁の働き方改革についてお伺いいたします。  新型コロナウイルスの影響により、社会は大きな変革期を迎えております。感染拡大を防ぎながら社会経済活動を維持するために、直接人と触れ合うことのない非接触型の試みが増えてきているのも一つの例です。商談や就職活動や各種イベントが、ウェブを活用したオンラインで行われるようになり、テレワークも多くの企業で導入され、日本全体でデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXが加速しつつありますが、アフターコロナを見据えた社会においては、DXは当たり前になり、健康経営やSDGs、SRIの重要性がより一層高まると推察できます。  現在、国では、菅政権の下、行政改革とデジタル化を新政権の目玉政策として、2021年のデジタル庁発足を目指しており、免許証や健康保険証等をマイナンバーカードと統合しようとする動きも進んでいると聞いております。  しかしながら、先般のマイナンバーカードを活用した1人10万円の特別定額給付金の支給においては、自治体が業務システムの構築を外注したり、申請内容が正しいか手作業で確認したりする例が相次ぎ、混乱が生じたほか、新型コロナウイルスの情報共有においても、首都圏の自治体では、しばらくの間、保健所と本庁福祉部局がファクスで感染者情報をやり取りし、情報収集に手間取ったとの指摘もあり、まだまだ不備が多く、これからのデジタル化に向けた体制整備が急務であると感じられました。  そのような中、愛媛県では、中村知事が新しい働き方チャレンジ宣言を発表し、スマート県庁への転換を強力に図るとの力強いメッセージが発せられました。しかし、現状では、県庁の各部局あるいは地方局の現場では、帳簿や台帳をめくりながら申請内容を確認するという昔ながらの事務作業を実施しているものも多く、データの電子化や自動化、AIの活用を行う余地は大きいのではないかと考えるところであります。  個々の県職員が最新の技術を習熟するには、時間や手間がかかるという側面もあるため、改めて事務の方法を見直し、県庁内に改善の具体的な手法を提案したり、助言が得られる組織や仕組みを構築していくことが有効ではないかと考えます。民間企業による技術革新は著しく、様々な企業と連携をしてきた経験を生かし、愛媛独自の手法を構築することができれば、全国にも先駆けた取組になると期待するところであります。  さらに、こうしたことは、市町とも連携をしながら取り組む必要があると考えます。2019年度の総務省の調査によりますと、RPAの導入状況は、都道府県では85%、政令市で70%でありますが、その他の市区町村では僅か18%にとどまっており、特に市町においては、情報技術やシステム構築に詳しい職員は限られているのではないかと推察いたします。専門知識を有する職員の育成など、ICT化、デジタル化の分野でも、本県の強みであるチーム愛媛の力を発揮していただきたいと強く望むところであります。  また、デジタル化を含む県庁の働き方改革は、県内企業を引っ張る意味でも、率先した取組を大いに期待しております。しかし、それは県職員の負担を軽減するということだけではなく、県民に幸せをもたらすものにしていくことが重要であり、単純作業に費やす時間を減らすことで新たな企画立案の時間を確保する、あるいはテレワークを進めることで、より現場に滞在する時間を増やしていくためにも、県職員の働き方改革を推し進めていただきたいと考えます。  そこで、お伺いいたします。  県として、DXに即応していく上でも、デジタル化による県庁の働き方改革を具体的に進めるための仕組みづくりや市町との連携について、愛媛独自のモデルを構築しつつ進めてほしいと考えますが、県としてどのように取り組んでいかれるのか、見解をお聞かせください。  次に、毎回取り上げており、地元愛南町で長年にわたり継続的な課題となっている県立南宇和病院の医師確保等についてお伺いいたします。  前回の私の一般質問において、中村知事からの答弁にもありましたように、本県で特に医師不足が深刻化しているのが愛南地域であり、令和元年度愛媛県公営企業会計決算審査意見書においても、医師の確保、診療科の維持について、「特に、南宇和病院では、半数を超える診療科において常勤医師が一人もいない深刻な状況になっている」と指摘されています。  公立病院の使命である地域医療の確保を図り、かつ病院事業の一層の経営健全化に資するためには、今後とも大学医学部やほかの医療機関との連携強化に取り組むとともに、愛媛県地域医療医師確保奨学金貸与制度を利用した卒業生の配置、育成策について、関係機関と一体となって検討するなど、さらなる医師確保策や人材育成策を講じ、診療科の維持に努められたいと愛媛県監査委員の意見が述べられております。県立南宇和病院には現在、常勤医師が10名でありますが、定数22名の常勤医師の確保に向け、引き続き様々な施策で共に取り組んでいただきたいと思います。  さて、ここ県立南宇和病院だけでなく、日本の地方各地において、医師不足や経営難に陥っている公立病院は数多くあります。その中にあって、閉院の危機に瀕していた三重県の志摩市民病院が奇跡の復活劇を遂げたとの記事を目にしました。同病院では、2015年に年間約7億円の赤字を計上するとともに、3人もの医師が一斉退職し、唯一残った1人の医師は大卒7年目、34歳の若手医師のみだったそうです。しかし、その状況から、その1人残った若手医師が新院長に就任し、赤字額を毎年1億円ずつ減らし、5年後の2020年には、赤字がほぼゼロになるところまで経営を立て直し、今では志摩市南部の回復期医療や緩和医療、在宅医療において、重要な役割を担う中核病院となっているとのことでありました。とても興味深く、いかにして立て直されたのかプロセスを読ませていただきましたが、読めば読むほどに、この復活劇は偶然起きた奇跡的にではなく、しっかりとしたビジョンを持ち、努力を重ねた必然であると感じました。そこには、患者の受入れは絶対に断らないをモットーに、院内の風通しをよくして、地域住民、高校生、医大生などを巻き込んで、人づくり、まちづくりにも積極的に取り組み続けたとつづられており、大変感銘を受けました。  県では、本年4月より、県立南宇和病院内に愛媛大学医学部地域医療学講座のサテライトセンターを設置し、学生教育に当たる施策を展開されており、県と町が連携を図る動きが強まっており、これらの取組が、南宇和郡になくてはならない基幹病院である県立南宇和病院を県も町も官も民も一体となって、さらに盛り立てていく契機になればと切に願います。  そこで、お伺いいたします。  医師不足が深刻な愛南地域でありますが、地域住民の命を守るため、地域医療学講座のサテライトセンターの活用を含め、県立南宇和病院の常勤医師の確保や若手医師の育成にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、アフターコロナにおける新たな観光振興と南レク公園の活用についてお伺いいたします。  南レク株式会社は、昭和48年に初代社長白石春樹知事の下、南予レクリエーション都市整備事業を補完する第三セクターとして設立され、多くの施設と広大な土地を有し、これまで地域との連携を図りながら、南予レクリエーション都市公園施設を適正に管理し、利用を促進することにより、公園とその周辺地域の活性化を目的とし、各種事業を営んできました。  先月に中村知事も現地視察をされたところでありますが、南レク公園の利用者数は、平成7年の75万9,913人をピークに減少傾向で推移しており、昨年の令和元年には33万9,398人とピーク時の半数にも届いておらず、平成19年には、10億2,164万6,000円あった南レク株式会社の累積損益を解消すべく、15億円の資本金を4億円に減資し、最近では、各施設の老朽化も目立ち、地元愛南町にある宇和海展望タワーも耐震不足に伴い、運行休止になったままとなっており、縮小の一途をたどっているように受け止められます。  新型コロナウイルスの影響により、社会様式が目まぐるしく変容していく中、本年7月、当時の菅官房長官が、「新しい旅行や働き方のスタイルとして、政府としても普及に取り組んでいきたい」と発言したことで注目されたワーケーション。ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地、地方等で休暇を取りながらテレワークをする働き方で、メディアでも大きく取り上げられているのは御承知のとおりです。  実際の運用においては、仕事と休暇の時間が曖昧になる、ワーケーションできる社員と不公平感が生まれる、長期のテレワークになると生産性が低下するなどが課題として取り上げられますが、ワーケーションとは、ただ単に休暇中に仕事をすることではなく、コロナ禍で混乱する企業、地域、個人それぞれにメリットがあり、地域の活性化には有効なアフターコロナ時代の新しい働き方と休み方で、これからの時代を見据えて、それぞれの企業はステップを踏みつつ、ワーケーションやファミリーワーケーション、テレワークに積極的に取り組むべき過渡期であり、県としても強く推進していく必要があると考えます。  また、これらに併せて、新しいアウトドアスタイルとして、ここ数年、男女を問わず世代を超えて人気を集めているグランピングが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、さらに感染リスクの少ない旅のスタイルとして注目されています。グランピングとは、英語で魅力的な、華やかななどを意味するグラマラスとキャンピングを組み合わせた言葉で、直訳すれば魅力的なキャンプという意味になります。敷地内に温泉やアスレチック、収穫体験ができる農園などが用意され、人気となっている施設もあります。感染リスクを避けながらストレスや巣籠もり疲れを解消でき、キャンプにおいて初心者が不便、難しいと感じるポイントをサポートしてもらえ、豪華かつ快適に過ごせるのがグランピングのいいところでもあります。  愛媛県内には、これらのワーケーションやファミリーワーケーション、グランピングなどを生かせる場所が数多く存在し、特に南レク公園とその周辺地域には、豊かな自然や食文化とともに、全国に誇る水産業や柑橘を中心とした観光農園など、趣向を凝らして活用できる魅力的なツールがあり、まさに今、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えて、県として推進していくべきではないかと考えます。  そこで、お伺いいたします。  南予の豊かな自然や産業、食文化を生かしたワーケーションやファミリーワーケーション、テレワークなどの取組を通して、南予地域を訪れた方々の呼び込みやオートキャンプやグランピングなど、アウトドア関連の魅力向上施策を推進し、南レク公園への誘客促進に取り組んでいただきたいと考えますが、県としてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  次に、四国8の字ネットワーク、高速道路の南予延伸についてお伺いします。  御承知のとおり、愛媛県で唯一高速道路の届いていないのが、私の地元でもあります愛南町です。高速道路等は、ネットワークを形成してこそ本来の機能を発揮できるものでありますが、四国8の字ネットワークには、愛媛県においてもいまだ未整備区間があり、十分機能していない状況にあるため、その整備促進が望まれております。  県では、高速道路の南予延伸を最重要施策の一つに位置づけ、これまでも中村知事には、国に対して強く要望を行っていただいており、大変心強く思っているところですが、引き続き粘り強く国に要望していただき、一日も早い高速道路の南予延伸、ミッシングリンク解消に向けて取り組んでいただきますようお願いいたします。  さて、2016年に着工された津島南インターチェンジから内海インターチェンジ間は着々と工事が進み、本年10月28日には、津島南インターチェンジと国道56号をつなぐ津島南インターチェンジランプトンネルの貫通式が、多くの地域住民が見守る中行われ、この高速道路の早期整備は、南予南部地域の住民にとって、非常に関心が高く、ミッシングリンクの早期解消は地域住民の悲願であると感じました。  このように、津島岩松から内海間の全線開通が待ち望まれるところでありますが、南宇和郡を横断する内海から宿毛間はいまだに事業化されておらず、現在、計画段階評価を終え、詳細ルート等の検討がなされており、一刻も早く事業化されることを強く願うところであります。  この高速道路の早期延伸は、ただ単に利便性の向上だけでなく、災害が起こった際の避難道、そして災害が起こった後の物資の輸送や復旧・復興をいち早く進めるためにも必要であり、その災害時における高速道路の必要性、有効性は近年、日本各地で頻発している大規模災害でも証明されており、高次医療機関へのアクセスの向上など、救急活動の円滑化にとっても不可欠なものであります。また、広域物流や地域間の交流、連携に大きな役割を果たすものであり、地域の自然、歴史、文化等の地域資源を活用し、活性化を図る上で極めて重要な社会経済基盤であります。  特に愛南地域においては、公共交通機関が発達しておらず、社会生活を送る上で自家用車への依存度が高く、高速道路は地域住民にとって必要不可欠な生活基盤でもあります。さらには、さきに質問させていただきました南予レクリエーション都市公園への誘客促進にも大きな効果があると確信しています。  アフターコロナ社会における都市間競争、地域間競争においても、高速道路等はその競争の前提として各地域に整備しなければならない基礎的な社会インフラであり、高速道路ネットワークの整備がなされなければ、地域間格差がさらに拡大することになると懸念しております。  以上の観点から考えますと、ただ延伸されればよいというものではなく、これからの南予地域、ひいては四国西南地域の発展のためには連絡性が高いものが重要であり、5町村が合併し、広い土地に住居が点在している南宇和郡にとっては、どのようにインターチェンジを設置するのかも重要になってくると思います。内海から宿毛間の一日も早い事業化は愛南町民の悲願であり、県におかれましては、高速道路の南予延伸に向けて、これまで以上にスピード感を持って取り組んでいただきたいと切望しております。  そこで、お伺いいたします。  いまだ事業化に至っていない内海から宿毛間でありますが、地域にとってより有効な事業となり、早期実現されることを切望するところでありますが、高速道路の南予延伸に向けた現状と今後の取組はどうか、お聞かせください。  次に、生産基盤強化に向けた樹園地の再編整備の取組についてお伺いします。  我が県は全国に誇る柑橘王国であり、柑橘は本県農業の礎であることはもとより、地域農業を牽引し、農村の活性化に大きく貢献するとともに、ミカンという果物によって、豊かで潤いのある食生活を全国に供給し続けております。  しかし、一方で、愛媛の柑橘農業を担っている農家は急速に高齢化が進んでいるほか、ミカン山と呼ばれる園地では、作業条件の悪さなどから後継者の減少が続いていることに加え、生産基盤整備の立ち遅れも見られるなど、生産の現場では構造的課題に直面しています。幸い私の地元愛南町では、特産の河内晩柑の生産農家をはじめとして、若手農家も育っており、少し安堵しているところでありますが、今もなお、柑橘を生産する園地は傾斜がきつく、作業道やモノレールの整備だけでは、さらに若い世代に柑橘農業を引き継ぐことに不安を感じるとの声も聞こえてきます。  県におかれましては、これまでも優良園地を確保し、農作業の省力化や効率化を図るため、地域の声に耳を傾け、農道やかんがい施設など、必要な基盤整備をきめ細かく進めていただき、感謝する次第でありますが、将来の愛媛の柑橘農業を考えると、今の園地よりももっと効率的で防災面に優れた緩傾斜園地に整備していくことが必要ではないかと考えるのであります。  このような中、先日、知事から、西日本豪雨災害を端緒に進める再編復旧の取組として、県内4番目になる吉田町立間地区が事業計画の策定をスタートするとの発表があり、私としても、いよいよ園地の復興が本格的になるのだという期待と、吉田地域がミカン発祥の地として再興し、多くの若い担い手が、緩傾斜化された園地で生き生きと営農する姿を思い浮かべたところであります。  県が進める再編復旧は、被災園地だけでなく、周りの健全な園地も取り込み、大規模に造成すると聞いておりますが、被災、未被災にかかわらず、これまで収穫してきた樹木を伐採し、新しく苗木を植え付ける作業が必要となってきますが、全国のミカン生産県16県の県議会議員で組織する全国みかん生産県議会議員対策協議会では、国に対し、苗木の植付けに対する支援の充実を求めたところであり、生産の基盤が出来上がった暁には、それぞれの地域の特色を生かした柑橘が生産され、そのおいしさを競い合うことで園地の活性化につながっていくよう願っております。  西日本豪雨からの復旧・復興として取り組む再編復旧をはじめとする園地再編の取組は、傾斜を緩くし、排水対策も施すなど、これまでの園地に比べ格段に営農しやすく、災害にも強くなるものであり、この取組は愛媛柑橘農業をさらに発展させる非常に有効な手段になるのではないかと大きな期待を寄せているところであります。  そこで、お伺いいたします。  県では、愛媛の柑橘農業のさらなる発展が望める樹園地の再編整備を今後、どのように進めていくのか、お聞かせください。  最後に、愛顔感動ものがたり発信事業についてお伺いします。  この事業にも使われている愛の顔と書いて、えがおと読む言葉は、人と人との助け合い、支え合いの根底にある愛と、困難にくじけることなく挑戦し、道が開けたときにこぼれる笑顔を結びつけて生まれた造語であると理解しております。この事業を通じて紹介されるエピソードは、人々が愛顔を実感できる心温まるものとなっており、私も毎年楽しみにしている一人であります。  今年は、新型コロナウイルスの影響により、我が国でも国民が様々なことに我慢を強いられ、厳しい状況に置かれておりますが、このようなときだからこそ、私たち一人一人が家族や友人、同僚や隣人など、相手に対する思いやりを持ち、どんな困難にも笑顔で挑戦していく姿勢を持つことが大事ではないかと感じています。県民にそうした前向きな気持ちを持ってもらう上でも、特に今年の事業は意義あるものとなると期待せずにはいられません。  毎年2月に開催されている表彰式イベントでは、受賞された皆さんを招待し表彰するとともに、知事や紺野美沙子さん、審査員の方々による受賞作品の朗読や、水樹奈々さんの朗読動画の上映などが行われ、会場は終始涙あり、笑いありの温かい感動に包まれるイベントとなっており、毎年開催を心待ちにしている県民は多いと聞いております。  前回の表彰式は、新型コロナウイルスの影響により、やむなく無観客での開催となってしまいましたが、新たにイッセー尾形さんを審査委員長にお迎えした今年度は、今後の新型コロナウイルスの状況にもよりますが、ぜひとも感染防止対策を徹底した上で、多くの皆様の御来場の下、開催できることを強く願っております。また、感動のエピソードや愛顔の写真を全国に向けて発信する心温まる取組として根づきつつある本事業の魅力を大いに広めていただき、全国各地にコロナ禍にも負けない大きな愛顔の輪が広がっていくことを心から願っております。  そこで、お伺いいたします。  新型コロナウイルスの影響で様々なイベントが中止や延期を余儀なくされる中、今年度の感動のエピソードや愛顔の写真の応募状況と、県民のみならず、全国から注目され、本県のPRにつながるような表彰式イベントにしてほしいと願っていますが、県としてどのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。  以上で私からの質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 中田議員に、まず、柑橘農業に関する御質問にお答えをさせていただきます。  本県の柑橘農業は、日当たりや排水のよい急傾斜地に先人が長年にわたって苦労して切り開いたミカン山で、厳しい作業条件の下でも、知恵と工夫を凝らし、品質の高いミカンの生産に取り組むことにより、全国トップの地位を確固たるものとしてきましたが、近年頻発する大規模災害や深刻化する担い手不足に対応していくには、災害に強く、生産性の高い園地への再編は不可欠なものと認識しています。  このため、県では、農作業の省力化や効率化に資する園地の緩傾斜化や園内道等の再整備に加えまして、ハウス栽培や最新のかん水技術等の導入、周年供給体制の確保など、多様化する営農形態にも対応できる園地を目指して再編整備を推進しており、西日本豪雨災害で被災した4地区の再編復旧に加えまして、松山市下難波地区、浅海原地区では既に整備に着手したほか、砥部町や松山市堀江地区の計画策定や新たな候補地での地元合意の形成にも取り組んでおります。  今後は、この流れをより強固なものとするため、先行している地区をモデルに、効率的で収益性の高い栽培を可能とする施設、設備の整備や紅プリンセスなどの県産オリジナル品種の積極的な導入などを進め、樹園地の再編整備の効果を発信することにより、再編の動きを他産地へも波及させ、先人の築き上げた柑橘王国愛媛の持続的な発展を支える生産基盤の強化を図ってまいりたいと思います。  次に、愛顔感動ものがたりについての御質問にお答えします。  今回のこの事業では、緊急事態宣言下で外出が大きく制限されたゴールデンウイーク期間中も創作活動に活用いただけるよう、エピソード部門の募集開始を約2週間前倒ししたほか、公募専門誌への掲載など積極的な広報活動を行ってまいりました。その結果、エピソード部門には、全ての都道府県と7か国から過去最多の4,961作品、写真部門には、44都道府県から昨年度を上回る5,130作品の応募をいただきました。  先般、私も参加し、受賞作品を選考させていただきましたが、いずれ劣らぬ力作ぞろいで、今回新たに審査委員長に御就任いただいたイッセー尾形氏をはじめ、審査委員一同大いに頭を悩ませることとなり、応募作品のレベルの高さに驚くとともに、その中でも、とりわけ愛顔と感動にあふれたすばらしい受賞作品をコロナ禍に苦しむ県内外の皆さんに広くお届けし、元気や勇気を与えたいとの意を強くしたところでございます。  表彰式イベントは、感染症対策を徹底した上で、来年2月28日日曜日に県民文化会館で実施予定としており、エピソード朗読者としては新たに、現在大ヒット中のアニメ作品「鬼滅の刃」の挿入歌を歌い、注目されている宇和島市出身の声優中川奈美さんに加わっていただくとともに、インターネットによるライブ配信を実施するなどにより、全国に向けた発信力を一段と高め、本事業の魅力はもとより、愛顔あふれる本県のPRを図ってまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(佐伯隆公営企業管理局長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 佐伯公営企業管理局長   〔佐伯隆公営企業管理局長登壇〕 ○(佐伯隆公営企業管理局長) 県立南宇和病院に関する御質問にお答えいたします。  南宇和病院は、11の診療科の外来診療や内科、整形外科を中心とした入院患者の受入れに加え、愛南地域唯一の救急告示病院として24時間365日の救急対応に当たるなど、基幹病院としての機能を担っており、常勤医師の確保と将来を見据えた若手医師の育成は重要な課題となっております。  このため、愛媛大学からの医師派遣や自治医科大学卒業医師の配置に加え、公募や全国自治体病院協議会の紹介制度等も活用して医師の確保に努めており、今年度は、新たに地域医療や若手の指導に精通した総合診療医を採用するなど、常勤医師は前年度比で2人増加したところでございます。  また、今年度から新たに愛媛大学地域医療学講座のサテライトセンターを南宇和病院に設置し、同病院を核に、実習や研修を通じて、医学部生の地域医療への動機づけや地域医療の知識・技量を身につけた若手医師を養成する体制の強化を図っており、今後、愛南町や地元医師会等と一層緊密に連携しながら、愛南地域ならではの魅力ある研修体制を構築し、地域を挙げて若手医師を招き、育てることにより、南宇和病院の医師確保と愛南地域の医療提供体制の充実につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(高石淳総務部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高石総務部長   〔高石淳総務部長登壇〕 ○(高石淳総務部長) 県庁の働き方改革に関する御質問にお答えいたします。  新型コロナ対策を契機として、社会全体でデジタル化が急速に進展し、人々の価値観や生活様式が大きく変貌する中、本県では、7月に新しい働き方チャレンジ宣言を行い、テレワーク端末やウェブ会議システムの増強を図りますとともに、スマートオフィスの整備やペーパーレス化など、デジタル技術の導入を鋭意進めております。  また、本県の強みである県・市町連携を軸に、民間との協働を融合させた仕組みによりまして、本年10月からAI総合案内サービスを本格実施するとともに、個々の業務プロセスや業務時間を見える化し、負荷の大きい照会回答や申請手続業務などの省力化に向け、事務の標準化やシステムの共有等にも取り組んでいるところでございます。  今後は、包括協定を締結いたしましたIT関連企業や専門人材の知見を最大限活用し、県民サービスや災害対応力の向上等に資するよう、デジタルシフトを加速、深化することとしており、デジタルトランスフォーメーションに即応できる先進的かつ実効性のある働き方改革を目指し、市町とも連携しながら、愛媛ならではの独自モデルの構築に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(葛原健二土木部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 葛原土木部長   〔葛原健二土木部長登壇〕 ○(葛原健二土木部長) 南レク公園への誘客促進についてお答えをいたします。  南予レクリエーション都市公園は、南予地域の豊かな自然や風土を背景に整備された公園であり、観光振興や地域の活性化に欠かせない施設でありますが、開園から40年以上が経過し、来園者が大きく減少しており、利用者の価値観やライフスタイルの変化等に対応した利用促進策を強化することが極めて重要であります。  しかしながら、公園エリアは約200haと広大で、利用形態の異なる施設が混在していることなどから、当面は、集客効果の高い南楽園や南レクジャンボプールなど、核となる施設に絞り、来年開催するえひめ南予きずな博と絡めて、その魅力を県内外に広く情報発信するとともに、現在、推進協議会を設置して誘致に取り組んでいるワーケーションの滞在者や、クルーズ船の寄港による外国人旅行者など、新たな客層を取り込むことで、来園者の増大を図りたいと考えているところでございます。
     具体的には、ウィズコロナ時代におけるワーケーション導入への動きやアウトドア人気の再燃を踏まえ、釣りやサイクリング等と組み合わせたキャンプの提案や、散策からアクティビティーまで楽しめる南レク公園の多様な魅力の発信を行うことで誘客促進を図り、南予地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、高速道路の南予延伸についてお答えをいたします。  高速道路は、大規模災害に備える命の道として、また、産業や観光の振興に寄与する地方創生の道として、極めて重要な社会基盤であるため、県では、南予延伸を最重要施策の一つに位置づけ、整備促進に積極的に取り組んできたところであります。  このうち、国が整備中の津島道路につきましては、内海インターチェンジ付近の柏川橋で下部工が概成し、10月には津島南インターチェンジ出入口のランプトンネルが貫通しており、これら2つのインターチェンジや本線部では切土工事等も進んでいるほか、今年度内に新内海トンネル約2.5kmにも工事着手する予定であります。  また、未着手の内海−宿毛間につきましては、現在、国が詳細ルート等の検討を進めており、県では、都市計画決定の事前準備に取りかかっているほか、愛南町では、南海トラフ地震などに備え、高速道路の機能を効果的に活用するため、御荘インターチェンジ周辺で防災休憩施設の検討に着手しているところでございます。  県といたしましては、今後とも、関係機関との緊密な連携の下、地域防災力の強化や水産物の販路拡大など、高速道路を生かす地方の取組と熱意を国に伝えながら、ミッシングリンクの早期解消を強く求め、高速道路の南予延伸の一日も早い実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時47分 休憩    ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(戒能潤之介議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(梶谷大治議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 梶谷大治議員   〔梶谷大治議員登壇〕 ○(梶谷大治議員) (拍手)愛媛維新の会の梶谷大治でございます。久しぶりの登壇でございますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず、改めて、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられました皆様に心から哀悼の誠をささげますとともに、感染された方々の一日も早い御回復を祈念いたします。  現在、全国的に新規感染者が急増し、本県でもその傾向がはっきりと現れており、予断を許さない状況を大変危惧しております。このような中、感染拡大防止と県民の生命と健康を守るため、懸命に取り組まれている中村知事をはじめ、県・市町職員や医療・福祉関係者など現場で頑張っておられる全ての皆様に深く敬意を表します。  さて、新型コロナウイルス感染症は、生命、健康と経済のどちらを優先するのかという難題を我が国に突きつけました。この難題への対処に当たり、その過程で自ら進んで規律を守り、皆で助け合い、支え合う、日本人の美徳を改めて示す一方で、SNS上での誹謗中傷、無責任な情報拡散、自粛警察、給付金詐欺など、自分さえよければいいという行き過ぎた個人主義の弊害なども顕在化いたしました。ウィズコロナ、アフターコロナの時代には、ニューノーマルと言われる新しい社会、生活様式が必要とされ、今までと違うライフスタイルが必要とされておりますが、その根幹には、思いやり、助け合い、謙譲の精神など、日本人としての美徳を置きたいものであります。  それでは、質問に入らせていただきます。  初めに、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響を受け、雇用環境が厳しさを増す中、県の雇用対策についてお伺いをいたします。  新型コロナウイルス感染症の最初の感染者が昨年末に中国で確認されてから、およそ1年が経過しようとしております。当初、日本においては、いずれ国内での感染者の発生や流行が起きてしまうのではないかとの危機感を抱きながらも、この感染症が我々の生活を一変させ、経済活動にこれほどまでに甚大な影響を与えることを予想していた方は少なかったのではないでしょうか。  御承知のとおり、国内では、4月7日に東京や大阪をはじめとする大都市圏を中心とした7都府県に緊急事態宣言が発出され、同月16日には全国に対象が広がり、私の地元八幡浜市においても、街から人影が消え、シャッターを閉めている飲食店などが増えていくのを目の当たりにし、地域経済は今後、どのようになってしまうのか、非常に不安を覚えたことは記憶に新しいところであります。その後、緊急事態宣言は5月25日に解除され、非接触や非対面をはじめとする新しい生活様式も浸透し、国によるGo To キャンペーンや各自治体での消費喚起策など、感染予防とのバランスを図りながら経済活動も徐々に本格化され、内閣府の月例経済報告では、個人消費の回復などを背景に、7月以降、景気は持ち直しという表現が使われるようになっております。  しかしながら、地方で暮らしておりますとそうした実感は乏しく、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況の中で、宿泊・飲食業、運輸業などの観光産業をはじめ、小売業などについても、経営環境は非常に厳しいとの声を多く聞いており、もともと、経営者の高齢化が進み、後継者不足も含め、事業を継続するか悩んでいる事業者においては、この年末などを区切りに廃業などに至ってしまうおそれもあるのではないかと危惧しているのであります。  実際に、民間の調査機関のデータでは、今年1年間の全国の休廃業、解散に至る企業が、調査開始後、最多の年間5万件を超えるとも言われており、このことは必然的に失業者の増加につながる可能性が高く、実際に9月時点の全国の完全失業者数は、前年同月に比べ8か月連続で増加し200万人を超えたところであり、また、休業者についても、過去最多となった4月の597万人や5月の423万人と比べれば197万人まで減少しているものの、一部の大手企業においては、冬のボーナスが支給されないとの報道がなされるなど、住民の生活に直接的な影響を及ぼす事態が広がっているものと考えております。  そこで、お伺いをいたします。  県では、新型コロナウイルス感染症の影響により、県内の雇用を維持していくため、どう取り組んでいくのか。また、意図せず解雇などに直面した方々に対して、どのように支援していくのか、お考えをお聞かせください。  次に、伊方発電所2号機の廃炉への対応についてお伺いをいたします。  伊方発電所は、昭和52年に1号機が営業運転を開始して以降、昭和57年に2号機、さらに平成6年には3号機が営業運転を開始し、県民生活と経済活動の基盤である電力の安定的かつ低廉な供給のみならず、八西地域の経済活性化と雇用の創出に大きく貢献をし、地元との共存共栄が図られてきました。  しかし、四国電力は、福島第一原発事故の教訓を踏まえた安全対策費の増加や、原則40年とされた運転期間及び電力供給などを総合的に判断した結果、平成28年3月に1号機の廃炉方針を決定し、平成30年3月には、2号機についても廃炉方針を決定したことから、住民からは地元経済の衰退を懸念する声が高まっております。  中村知事におかれましては、地元住民の不安をしっかりと受け止め、1号機の廃止措置計画の了解に際し、地元の経済発展や雇用促進などへの配慮を要請いただいたことにより、四国電力では、地元企業の高い技術力を活用した廃止措置研究を進めるなど、新たな経済対策にも取り組んでいるところであり、地元住民を代表して改めて感謝申し上げるとともに、伊方発電所の安全確保を大前提とした上で、今後とも、八西地域の経済活性化への御配慮をお願いしたいと考えております。  2号機の廃炉については、平成30年10月に廃止措置計画を策定し、原子力規制委員会に認可申請を行うとともに、県及び伊方町に対し、安全協定に基づく事前協議の申入れを行い、本年10月7日に同委員会の認可を受けたところであります。  今後、伊方発電所では、3号機を運転しながら、約40年にわたる1、2号機の廃止措置を計画的に行っていくものと考えておりますが、知事には伊方発電所の安全対策を国任せにすることなく、県独自に徹底的に追求してこられたこれまでの積極的な姿勢を貫き、2号機の廃止措置計画についても、地元の視点から安全性を厳しく確認し、必要な対策を四国電力に求めていただきたいと考えております。  そこで、お伺いをいたします。  伊方発電所2号機の廃止措置計画に係る事前協議について、県としてどのように対応するのか、お聞かせ願いたいのであります。  次に、原子力防災対策についてお伺いをします。  伊方発電所は、平成28年の再起動以降、3号機のみ運転を続けてきましたが、今年1月、広島高裁が運転を認めない決定をしたことや、原発へのテロ行為を想定した特定重大事故等対象施設の設置工事の遅れも重なり、来年10月頃まで運転できない見通しとなっております。  そのような中、10月22日に実施されました今年度の原子力防災訓練は、荒れた天候により、三机港での海上保安部の大型巡視船への乗換えによる海路避難訓練など一部の訓練は実施できませんでしたが、伊方町などの重点市町の住民をはじめ、国や大分県などの近隣県のほか、関係市町や防災関係機関など99機関、約2万人の参加を得て、おおむね予定どおりの訓練が行われたところであります。  私も地元住民として、今年も現地において訓練を視察したところでございますが、今回の訓練では、避難バスや避難所などでの新型コロナウイルス感染拡大防止対策を考慮した大分県などへの広域避難のほか、災害時の避難路などの情報収集に当たるドローンのさらなる活用や、ヘリとの衝突回避の実証実験を行うなど、迅速かつ確実な住民避難につながる実践的な訓練に取り組まれており、大変心強く感じている一方、地元住民からは、コロナ禍において、万が一原子力災害が発生した場合に、感染拡大を防ぐことができるのか懸念しているとの声も聞かれます。  そこで、お伺いをいたします。  県民の安全・安心を一層確保するためには、訓練結果をしっかりと検証し、原子力防災対策の充実・強化につなげていくことが大切であると考えておりますが、今回の原子力防災訓練についてどのように評価をし、今後、住民避難の実効性向上にどう取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  次に、本県における畜産の指導・支援機関である家畜保健衛生所についてお伺いをいたします。  我が国の畜産を取り巻く情勢は、激しい国際競争に加え、豚熱や口蹄疫といった悪性の家畜伝染病のリスクもあります。特にお隣の香川県で発生している鳥インフルエンザは、本県での発生も危惧されているところであり、県においては、直ちに緊急消毒に必要な消石灰を農場に配付するなど、家畜防疫体制の徹底を畜産農家に求めております。そのような中で、畜産農家は様々な困難を乗り越え、今も伝染病の侵入リスクと対峙しながら、懸命に経営を続けています。  県の家畜保健衛生所では、畜産農家への生産支援や衛生指導に熱心に取り組まれておりますが、私の地元八幡浜市にある南予家畜保健衛生所については、昭和47年の建設で施設の老朽化が著しく、加えて、周辺の宅地化が進み、焼却炉の使用にも気を遣う状況となっております。  このような中、先般、県が開催した家畜保健衛生所機能再編整備検討委員会では、県内5か所ある家畜保健衛生所の今後の再編整備について議論が行われたと聞いております。本県の農業産出額の約2割を占め、基幹産業の一つである畜産業をさらに発展させていくには、地域の畜産の現状や畜産農家の状況を熟知し生産を支援するとともに、一たび家畜伝染病が発生すれば、防疫体制の中心となる家畜保健衛生所の機能強化が必要であると考えます。  そこで、お伺いをいたします。  県内の家畜保健衛生所の再編整備による機能強化について、これまでの議論で確認された基本的な方向性と、それを踏まえた南予家畜保健衛生所の整備に対する考え方をお聞かせいただきたいのであります。  次に、今後の本県柑橘農業についてお伺いをいたします。  私の地元の八幡浜市や伊方町をはじめとする南予地域は、急傾斜地という厳しい条件を克服しながら、日本一の柑橘産地を築き上げてきており、昨年、愛媛・南予の柑橘農業システムが、日本農業遺産の認定を受けました。南予の住民の一人としてとても誇りに感じており、県をはじめ関係する市町・JAの御努力に感謝するとともに、今後とも、南予の柑橘産地を守り、柑橘農業に関わる地域や人々の営みを次世代に引き継いでいくことは極めて重要であると認識しております。  しかしながら、生産現場に目を向けると、南予地域のみならず、全県的に柑橘農家の高齢化が進み、担い手が減少する中、厳しい農作業を強いられる急傾斜地では、荒廃した園地が増加をし、生産量も減少しております。さらに、産地の販売力を支える柑橘選果場についても、光センサー選果機など設備の老朽化が顕著になっている上、生産量の減少で規模が過大となるなど、産地が抱える課題は多く、柑橘王国愛媛の屋台骨を揺るがしかねないと危惧しているところであります。  今後とも、本県が全国の柑橘産地を牽引する存在であり続けるためには、担い手の確保はもちろんのこと、本県柑橘生産量の多くを占める温州ミカンをはじめ、県オリジナル品種の紅まどんな、甘平などの高品質果実を消費者に安定的に供給することができる体制を維持していくことが重要であり、そのためには、本県柑橘農業の将来ビジョンをしっかりと描く必要があると思っております。  そこで、お伺いいたします。  県では今年度、5年ぶりに県果樹農業振興計画の見直しを行うと聞いておりますが、将来に向けて、本県柑橘農業をどのような方針の下で振興していく考えなのか、お聞かせ願いたいのであります。  次に、県立高校における産業教育の取組についてお伺いをいたします。  日本有数の柑橘の産地である南予地域では、今年度はコロナ禍の影響により柑橘の収穫作業などの人手不足が懸念されておりましたが、多くの高校生がボランティアに参加しており、農家の方々からは、若き助っ人の力に勇気づけられているとの声を聞き、高校生の共助の精神を大変頼もしく思っているところであります。  御案内のとおり、現在、我が国では、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少により、製造業や農林水産業をはじめとする幅広い分野で、人手不足が厳しさを増しております。県内企業などにとっても担い手の確保は重要な課題となっており、我が国の産業を支えてきた熟練技術者が大量退職する中、これまで培われてきた技術、技能の次世代への継承の観点からも、産業教育の果たす役割は極めて大きいと言えます。  こうした中、本県では現在、県立高校などの全生徒の3割、約7,300名が農業、工業、商業などの職業学科で学んでおり、いわゆる座学だけでなく、実験、実習などの実践的、体験的な教育を通じ、専門的な知識・技術を身につけ、将来、地域社会や経済の発展に貢献する、地域の産業を担う人材教育に取り組まれていることを大変心強く思う次第であります。  県内には、スゴ技、すご味、すごモノデータベースに象徴される国内外の市場で通用する技術やサービスを提供する優れた企業などが数多く存在しますが、産業教育を学ぶ生徒にこうした地域が誇る企業で即戦力として活躍できる先端的な知識、技能を習得させるためには、これまでも重視されてきた学校と地域や産業界などの連携を一層深めることが重要であると考えます。  そして、人口減少や就業行動の急速な変化、グローバル化、AIやIoTなどの技術革新によるSociety5.0の到来といった新たな社会においては、産業界が必要とする人や物が多様化する可能性があり、子供たちにはこれまでとは異なる資質、能力も求められるところであります。どうか、今後の本県の産業界を担う子供たち一人一人が、これからの社会に適応するために必要な力を身につけるとともに、地域に貢献する意識を持ち、将来、その地域ならではの新しい価値を創造し、新たな時代を地域から支えることのできる人材となり、世界に伍して活躍する姿を期待いたしております。  そこで、お伺いをいたします。  産業教育を行う県立高校では、その地域の産業の継承や発展に向けて、どのような教育活動を推進していくのか。また、今後どう取り組んでいくのか、お聞かせください。  最後に、11月3日に行われた米国大統領選挙は、民主主義の本家とも言われた米国において、選挙をめぐる暴動や衝突が発生し、対立や混乱の長期化が懸念されるほど大きく社会が分断されております。この極めて嘆かわしい状況を見て、民主主義における私たち政治を志す者の役割は、意見の相違を話合いで乗り越え、全ての人が満足するのは無理でも、そこに近づける努力をするのが役割と改めて思ったところであります。県民によって選ばれた代表として、県民の幸せのためにしっかりと取り組んでいくことを改めてここで表明し、私の質問を終わります。  御清聴賜り、誠にありがとうございました。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 梶谷議員に、まず、雇用の維持についての御質問にお答えをさせていただきます。  新型コロナウイルス感染症は全国で拡大が続いており、経済活動の停滞が長期化することで、雇用情勢のさらなる悪化も懸念されますことから、県では、県内企業等の事業継続と雇用維持に向けた資金面での支援や、離職者等の生活の安定と再就職への迅速な対応を積極的に行っているところでございます。  具体的には、国の持続化給付金の活用促進に加え、廃業や倒産等による雇用の喪失を防ぐため、市町と連携した無利子融資制度をいち早く創設しまして、10月末までに約8,000件、金額で1,400億円の貸付けを行うとともに、休業等による雇用維持を図るため、国の雇用調整助成金への県独自の上乗せ助成を11月24日時点で約400件、金額で5,300万円を支給しているところでございます。  また、離職や休職を余儀なくされた方に対しては、低利融資の離職者等緊急生活資金の保証料を県が全額補助し、社会福祉協議会の緊急小口資金等と合わせて、当面の生活維持を図るとともに、産業技術専門校には、11月26日時点で新型コロナの影響による離職者39名が入校し、既にそのうちの9名が就業するなど、早期の再就職を後押ししているところでございます。  引き続き国等関係機関と連携しながら、県内事業者の雇用維持や離職者支援、さらには人手が不足している成長分野への労働移動を見据えた取組も進め、地域経済の下支え、回復を図ってまいりたいと思います。  次に、柑橘農業に関しての御質問でございます。  本県の柑橘農業は、耕して天に至ると形容される段々畑で、太陽の恵みと急傾斜地を生かして生産される質の高い温州ミカンに加え、伊予カンや紅まどんな、甘平などの多様な中晩柑類も盛んに栽培しており、高い品質や豊富な品ぞろえにより、市場や消費者から高い評価を得るなど、他産地を凌駕する全国のトップリーダーであると自負しています。  しかしながら、産地では、近年急速に進む担い手の高齢化と後継者不足、老木園の増加などに伴う栽培面積や生産量の減少などの課題を有しております。ただ一方で、県外からの移住者が就農する動き等も年々増加傾向が見られることから、次代を担う若い生産者が魅力を感じ、やりがいを持って柑橘農業に取り組み、先人が築き上げてきた日本一の柑橘産地を未来に継承していけるよう、現在、未来型果樹園の創造とブランド果実の安定供給による、もうかる果樹農業の確立、これを目標に掲げた次期果樹農業振興計画の今年度内の策定に向けて、現在、作業を進めているところでございます。  今後は、策定後の計画に基づき、担い手の育成や園地の緩傾斜化、園内道・モノレールの再整備による生産性の向上、最新のかん水技術やスマート農業等の先端技術の導入、園地の若返りや土づくり等による収穫量の向上を図るとともに、県産オリジナル品種の生産拡大や、将来の生産目標や販売戦略に即した選果施設の集約と高度化などにも取り組みたいと考えており、これらの施策の具体化を通じて、柑橘王国愛媛のさらなる発展を目指してまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 伊方原発に関して、2点御質問がございました。  初めに、2号機廃炉に係る事前協議への対応についてお答えします。  2号機の廃止計画については、平成30年10月に四国電力から事前協議を受けて以降、原子力安全専門部会において、1号機の廃止措置状況も踏まえて、安全確保及び環境保全対策が適切に講じられた計画であるか、技術的、専門的観点から確認いたしますとともに、国から、原子力規制委員会の審査結果や廃止措置に伴う廃棄物対策について説明を受けるなど、安全性等を厳しく審議してきたところでございます。  その結果、11月25日の専門部会において、廃止措置計画は妥当と判断されますとともに、さらなる安全性向上等に向けた取組として、新たな知見の反映による廃止措置計画の改善、高度な知識・技術の継承と人材育成、低レベル放射性廃棄物処分の着実な推進などを四国電力と国に求める部会報告書が取りまとめられたところでありまして、今後、親会である伊方原発環境安全管理委員会で審議いただくこととしております。  県といたしましては、長期間にわたる廃止措置が安全かつ確実に実施され、伊方発電所全体の安全がしっかり確保されるよう、事前協議に対しては、管理委員会の意見、県議会での議論、地元伊方町の意見などを踏まえ、必要な対策は積極的に求めていきたいと考えております。  次に、原子力防災訓練の評価と今後の取組についてお答えします。  今年度の原子力防災訓練では、新型コロナウイルス等の感染症対策を原子力防災にどう反映するかを重要な課題と位置づけ、国の基本的な対応方針をベースに、市町と連携して取り組んだ梅雨期の災害対応の経験を踏まえながら、感染症対策を講じた実践的な広域避難訓練に取り組んだところでございます。具体的には、マスク着用や検温等の体調確認の徹底に加えまして、一時集結所や避難所で健常者と体調不良者の動線や区画を分離したほか、避難バスでは座席の間隔を十分取るとともに、体調不良者を別便で搬送するなど、放射線防護措置と感染症対策の両立を図る避難訓練を円滑に実施いたしました。  また、住民の代替避難路の確保に向けたドローンの実証訓練では、災害の状況に応じて飛行ルートを自由に設定し運航する訓練を行い、天候不良の中でも代替避難路の状況を迅速に確認できるなど、災害時の情報収集手段の切り札となるドローンのさらなる活用のめどが立ったと考えております。今回は、悪天候で一部の訓練が中止となりましたが、県内や大分県の新たな市町での受入れ訓練も実施するなど、全体としておおむね順調にできたと考えております。  今後、訓練の課題等を検証し、避難計画や訓練内容をブラッシュアップするとともに、ドローンのさらなる活用も検討するなど、原子力防災対策の一層の充実・強化に取り組み、住民避難の実効性向上に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(馬越史朗農林水産部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 馬越農林水産部長   〔馬越史朗農林水産部長登壇〕 ○(馬越史朗農林水産部長) 家畜保健衛生所の機能強化についてお答えいたします。  本県の畜産業は、柑橘に次ぐ農業産出額を誇っているものの、家畜伝染病のリスクの高まりや競争の激化など厳しい状況にさらされており、畜産農家が今後も安定的に経営を継続していく上で、家畜防疫を主導するとともに生産振興の支援を行う家畜保健衛生所の機能強化は不可欠と認識しておりますが、施設の老朽化やマンパワーの確保等の課題もあることから、有識者で構成する検討委員会で機能強化の方向性や組織体制の在り方の検討を行っているところでございます。  検討委員会では、拠点を東・中・南予の3か所に集約し、それぞれの地域特性や畜産を取り巻く情勢の変化を踏まえた整備を進めることにより、家畜伝染病発生時の初動体制の強化を図るとの基本的な方向性とともに、特に県下の6割以上の畜産農家が集まる南予につきましては、最大の産地である西予市に統合移転し、バイオセキュリティーレベルや検査能力の向上等を図るべきとの考え方が示されたところでございます。  県といたしましては、近く取りまとめられる委員会の最終的な提言を踏まえ、まずは、南予地域の拠点施設について、西予市と連携して整備を進めたいと考えておりまして、将来にわたって、家畜防疫と生産振興の両面で本県の畜産農家をしっかりと支えていくことができるよう、組織の在り方を含め、さらなる機能強化に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。
    ○(田所竜二教育長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 田所教育長   〔田所竜二教育長登壇〕 ○(田所竜二教育長) 産業教育の推進についてお答えをいたします。  県立高校では、地元で学び、地元で活躍できるプロフェッショナルな人材を育成する地学地就の推進を目標に掲げ、地域の産業界や市町と一体となった産業教育を展開しており、地元への理解と愛着を持ちながら地域産業を支える専門的職業人の育成に取り組んでおります。  このうち農業分野では、地元特産の柑橘やブドウなどの生産、マーマレードの開発などの六次産業化、海外での生産物販売等に取り組んでおり、グローバルGAPも全国最多の4校で取得しております。工業分野では、地元企業の協力の下、熟練技術者を招いた匠の技教室やインターンシップなどで技術を磨き、機械加工やロボット技術などの大会において、日本一や世界一に輝く人材を輩出しております。  また、商業分野では、地域資源を活用した観光振興やビジネス創出に関する体験学習を全ての商業科で展開しておりますほか、水産分野では、フィッシュガールに代表される県産品PR活動や水産加工品の開発を通じて付加価値の向上策を学んでおり、各分野ともに、地域と密接に関わりながら地域課題を発見し、解決する力を養う教育を展開しているところでございます。  今後は、ICT技術の活用や分野の枠を超えた連携強化を促進するなど、産業教育の一層の充実を図りながら、地域産業を牽引する人材の育成に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明2日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時42分 散会...